平成27年度 社会医療法人　畿内会　岡波総合病院 病院指標

医療法における病院等の広告規制について（厚生労働省）
  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位３位まで）
  3. 初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位３位まで）
  7. その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0～ 10～ 20～ 30～ 40～ 50～ 60～ 70～ 80～ 90～
患者数 304 95 56 113 180 373 826 1242 1184 325
定義：集計対象患者は平成27年度（平成27年4月1日～平成28年3月31日）退院患者とします。
　　　　年齢は入院日時の満年齢とします。

解説
全体で見ると当院の所在地である伊賀市の65歳以上の割合が31.04％（平成28年8月31日現在）と高齢化が進んでおり、それと比例するように60歳以上の患者さんの割合が75％以上を占めています。
また三重大学のバックアップのもと伊賀市内唯一の小児二次救急医療機関として入院が必要な救急患者様の診療を行っていることから低年齢層の患者さんが多くなっています。
診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位３位まで）ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎（15歳以上） 手術なし 手術・処置等２なし 80 23.03 14.34 8.75 77.54
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等２なし 副傷病なし 65 37.03 21.69 4.62 86.25
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等２４あり 副傷病なし 28 19.50 17.69 0.00 77.82
内科の特徴としては高齢な患者さんが多いため肺炎・誤嚥性肺炎の症例が多くなっています。独居または老々介護の世帯が多く退院調整に難渋し、平均在院日数が長くなりがちになっています。
リンパ腫などの血液疾患について緩和医療も含めた医療を行っています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等１１あり 手術・処置等２なし 副傷病なし 90 3.58 3.07 0.00 70.14
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎（15歳以上） 手術なし 手術・処置等２なし 69 24.04 14.34 7.25 79.65
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等１なし 手術・処置等２なし 副傷病なし 64 29.39 18.3 1.56 82.64
循環器内科で最も多い症例は、狭心症などに対する治療前・治療後の心臓カテーテル検査のための入院です。
また、内科常勤医の不足により高齢者の肺炎治療も行っています。
心不全の患者さんの平均年齢は82歳を超え、後期高齢者の患者さんが多いことが分かります。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
100380xxxxxxxx 体液量減少症 85 4.21 9.18 0.00 4.22
040080x1xxx0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎（15歳未満） 手術・処置等２なし 71 5.45 5.72 0.00 1.93
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等２なし 副傷病なし 36 5.42 6.31 0.00 4.92
小児科ではマイコプラズマやRSウィルス等による肺炎や気管支炎・気管支喘息などの呼吸器感染症の症例が非常に多くなっています。
特に肺炎・気管支炎は平均年齢2歳未満であり、小さなお子さんの呼吸器治療の重要性が分かります。

外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
060330xx02xxxx 胆嚢疾患（胆嚢結石など） 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 21 10.48 6.96 0.00 68.33
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術　全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等１なし 手術・処置等２なし 17 27.94 17.41 0.00 74.53
060150xx03xx0x 虫垂炎 虫垂切除術　虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 副傷病なし 12 8.58 5.56 0.00 48.75
外科の症例で最も多いのが胆嚢結石に対しての腹腔鏡下胆嚢摘出術です。胆嚢炎を伴っている場合には手術が困難になる場合がありますが、その場合でも安全に腹腔鏡下手術を行っていただいています。
また、結腸の悪性腫瘍も全国的にも増加しており、当院も例外ではありません。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術　肩、股等 101 64.51 28.7 0.99 83.21
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷（胸・腰髄損傷を含む。） 手術なし 副傷病なし 26 36.62 21.52 3.85 76.96
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 副傷病なし 21 4.43 5.7 0.00 43.67
整形外科では、高齢の患者さんが多い土地柄か大腿骨の骨折が非常に多くなっています。全国平均と比較すると平均在院日数が倍近くになりますが、転院率は非常に低いことがお分かりいただけると思います。要因としては、当院は回復期リハビリテーション病棟を有しており、当院にいながら急性期リハビリ、回復期リハビリと切れ目のないリハビリが行われていることが考えられます。平均在院日数を分析しますと大腿骨の骨折での急性期病棟の平均在院日数は27.3日と平均より短くなっており、回復期に関しては37.21日となっています。胸椎、腰椎以下の骨折・損傷はでの急性期病棟の平均在院日数は15.3日、回復期に関しては21.32日となっており特に急性期は全国平均より短い在院日数となっています。前腕の骨折等若年層が受傷することが多い症例は平均在院日数が短くなっています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等２なし 副傷病なし 24 14.54 10.02 0.00 66.42
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等２なし 副傷病なし 12 14.50 7.52 8.33 65.08
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術・処置等２なし 副傷病なし 10 11.70 11.91 0.00 79.70
脳神経外科では外傷性慢性硬膜下血腫の症例が多くなっています。頭部外傷後慢性期に脳と硬膜の隙間に血が貯まる病気で血腫が脳を圧迫し、様々な神経症状を引き起こします。この場合、局所麻酔で頭蓋骨にあけた小さな孔より血腫を洗い流します。
また、救急搬送が多い頭部外傷症例が多いのが特徴です。このほかにもくも膜下出血・脳腫瘍・脳梗塞が代表的な疾患になります。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
050180xx97xx0x 静脈・リンパ管疾患 その他の手術あり 副傷病なし 47 2.83 3.46 0.00 64.21
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等１なし 手術・処置等２なし 副傷病なし 15 29.60 18.3 0.00 83.60
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等１なし、１,３あり 手術・処置等２なし 副傷病なし 9 12.67 11.76 0.00 75.67
心臓血管外科の多い症例は下肢静脈瘤に対するストリッピング・血管内治療で患者さんの状態に応じた安全な手術を心がけています。
高齢の患者さんの心不全も代表的な疾患です。
徐脈性不整脈（洞性徐脈や完全房室ブロック）に対するペースメーカー移植術が次に多い症例となっています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等２４あり 副傷病なし 18 2.56 5.33 0.00 59.06
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 16 8.81 10.18 0.00 45.06
120070xx01xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術（腟式を含む。）　開腹によるもの等 14 9.71 10.43 0.00 55.14
産婦人科は子宮頸癌の化学療法が最も多い症例となっています。また、婦人科の中でも頻度の高い子宮筋腫・卵巣嚢腫に対しても患者さんの状態に応じて手術加療を適切に行っています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
020200xx99x4xx 黄斑、後極変性 手術なし 手術・処置等２４あり 117 2.00 2.53 0.00 76.77
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 手術・処置等２なし片眼 32 5.66 8.62 0.00 62.88
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等１あり 手術・処置等２なし 26 7.15 7.99 0.00 70.00
眼科では加齢黄斑変性・黄斑浮腫をはじめとする黄斑部疾患が多くなっています。
また、増殖糖尿病網膜症・増殖硝子体網膜症のような放置することで失明の危険性がある重篤な疾患に対しても極小切開硝子体手術を行うなど力を入れています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx040x0x 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術（一連につき） 手術・処置等１なし 副傷病なし 48 2.08 2.89 0.00 54.04
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術　経尿道的手術 手術・処置等１なし 手術・処置等２なし 46 8.35 7.59 0.00 73.85
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等 手術・処置等１なし 副傷病なし 46 7.22 5.91 0.00 64.02
泌尿器科では腎結石・尿管結石に対する手術症例が多く、患者さんに合わせてESWL（体外衝撃波腎・尿管結石破砕術）・TUL（経尿道的尿路結石除去術）など適切な治療を行っています。また、膀胱癌に対する手術であるTUR-BT（経尿道的膀胱悪性腫瘍手術）症例が多いですが、その他の悪性腫瘍に対する治療にも力を入れております。
初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準（※）		 版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 2 8 4 21 7 19 1 7
大腸癌 6 11 9 5 3 39 1 7
乳癌 6 3 0 0 1 0 1 6.7
肺癌 0 1 0 10 2 13 1 7
肝癌 2 0 4 2 1 28 1 7
※ 1：UICC TNM分類，2：癌取扱い規約
定義：集計中に退院した患者さんが対象で、実患者数を集計しています。期間内に同じ患者さんが同じがんで入退院を繰り返しても1症例を1件と数えます。
「初発」の病期分類は、UICC病期分類（国際対がん連合によって定められた①原発巣の大きさと進展度②所属リンパ節への転移状況③遠隔転移の有無の3つの要素によって各癌をI期（早期）～Ⅳ期（末期）の４病期に分類すること）に基づいたものです。

当院の患者数としては大腸がんが一番多く次いで胃がんが多くなっています。次に肝がんが多くなっています。
当院では内視鏡的治療・腹腔鏡的治療・根治手術・抗がん剤治療等患者さんに合わせた治療法を選択し、総合的に管理しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数		 平均年齢
重症度 0 18 13.50 54.67
重症度 1 35 20.74 79.83
重症度 2 32 25.38 84.41
重症度 3 15 36.80 86.33
重症度 4 10 33.20 86.70
重症度 5 1 6.00 107.00
不明 1 8.00 41.00
定義
・この集計では成人は15歳以上の患者さんを指します。
・市中肺炎とは、普段の生活の中で罹患した肺炎を指します。
・重症度は市中肺炎ガイドラインによる重症度分類システム（A－DROPシステム）により分類しています。

特徴としては中等症（重症度1または2）が最も多く、全体の6割を占めています。
重症度が高くなるにつれて平均在院日数も長くなります。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 4 3.50 66.00 0.00
その他 2 13.50 82.50 0.00
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 0 0.00 0.00 0.00
その他 0 0.00 0.00 0.00
I63$ 脳梗塞 3日以内 137 60.96 77.86 3.13
その他 23 75.65 78.57 0.63
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄，脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 2 5.00 69.50 12.50
その他 6 10.50 69.50 0.00
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄，脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 0 0.00 0.00 0.00
その他 0 0.00 0.00 0.00
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 0 0.00 0.00 0.00
その他 1 4.00 60.00 0.00
I679 脳血管疾患，詳細不明 3日以内 0 0.00 0.00 0.00
その他 2 5.50 66.50 0.00
定義：最も医療資源を投入した傷病名の脳梗塞ICD-10の上3桁で集計します。

発症して早期に入院される方が殆どで発症3日以内の急性期脳梗塞が全体の77％と高率となっています。当該症例も急性期病床から回復期リハビリテーション病棟への流れが出来ており平均在院日数は長くなっています。
また、当地域は患者さんの流出率が比較的高く他の地域で急性期医療を受けられ、当院で回復期リハビリテーションを受けるような症例もあり、そのあたりがその他の要因となっています。退院先は自宅もしくは施設が多く転院率は低くなっており自己完結型の医療といえます。
診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位３位まで）ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術（長径２ｃｍ未満） 57 0.11 1.14 0.00 68.91
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 27 2.67 20.85 0.00 84.67
K6152 血管塞栓術（頭部、胸腔、腹腔内血管等）（選択的動脈化学塞栓術） 21 5.19 12.81 0.00 78.57
内科で多い症例は大腸ポリープや大腸腫瘍に対する内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術で１泊2日の入院がクリティカルパスで行われています。
次いで多い症例は胆道疾患や膵臓疾患に行われる内視鏡的胆道ステント留置術になります。こちらは胆道にチューブを通して拡張し、胆汁の流れを良くする手術です。この手術は、胆石症に対する内視鏡的胆道結石除去術などのほかの手術の前段階として行われることも多く、術後日数が長くなる傾向にあります。
次いで肝臓疾患に対するTAEが挙げられます。カテーテルを動脈の中に入れ、疾患部分の血流を止める薬（塞栓材）を入れたり、抗がん剤を直接流し込んだりします。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術（その他） 57 4.09 7.18 0.00 72.14
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術（不安定狭心症） 10 0.00 14.9 0.00 65.50
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術（急性心筋梗塞） 10 0.00 24.1 0.00 76.80
循環器内科では虚血性心疾患（急性心筋梗塞や狭心症）などに対する経皮的冠動脈ステント留置術といった心臓カテーテル治療が多くなっています。
心臓カテーテル治療とは、腕や足の血管から心臓まで管を通して病変を治療する方法です。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 48 1.27 7.02 0.00 73.52
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術（長径２ｃｍ未満） 41 0.10 1.00 0.00 69.78
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 28 1.82 7.61 0.00 64.61
外科で多い症例は鼠径ヘルニア手術が挙げられます。最近では腹腔鏡下での鼠径ヘルニア手術も増加傾向にあります。
次いで大腸ポリープや大腸腫瘍に対する内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術で１泊2日の入院がクリティカルパスで行われています。
また、胆嚢結石等に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術が多くなっています。以前は開腹で行っていましたが、より患者さんの体への侵襲度が低い腹腔鏡下手術が年々増加しています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術（大腿） 84 3.65 54.13 1.19 81.26
K0811 人工骨頭挿入術（股） 36 3.94 55.22 2.78 81.22
K0462 骨折観血的手術（前腕・下腿） 31 2.10 17.68 0.00 58.90
整形外科では、入院症例と比例して大腿骨頸部骨折・大腿骨転子部骨折などの骨折観血的手術が最多となっております。こちらの術後日数が長いのは手術後回復期リハビリテーション病棟へ転棟されリハビリテーション後退院されるケースが多いことが考えられます。次いで多い人工骨頭挿入術（股）も同様の傾向にあります。下腿の骨折は橈骨や脛骨・腓骨の骨折に対する観血的手術となり、上記と比較し上腕の骨折が多いことから術後の在院日数も短くなっています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 32 0.13 11.53 0.00 75.81
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術（その他） 9 8.33 23.44 22.22 72.44
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング（１箇所） 8 2.13 70.88 0.00 66.50
脳神経外科では入院症例と比例して慢性硬膜下血腫に対する慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術が最も多くなっています。
そのほかには脳腫瘍の手術が挙げられます。当院は放射線療法の施設がないため開頭手術後の放射線療法は転医していただいて行っていることから転院率が高くなっています。次いで動脈瘤破裂によるくも膜下出血や未破裂脳動脈瘤に対する手術が多くなっています。動脈瘤の頸部に金属のクリップをかけ、瘤内の血流を遮断する手術になっています。本症例は術後、水頭症等を合併することもあったり、リハビリテーションの継続により回復期リハビリテーション病棟へ転棟され退院するケースが多いため術後日数が長くなっています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 31 1.13 1.48 0.00 67.87
K617-2 大伏在静脈抜去術 25 1.08 2.24 0.00 62.84
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術（人工心肺不使用）（２吻合以上） 13 6.46 15.54 0.00 70.08
心臓血管外科は入院症例と比例して下肢静脈瘤に対する手術が多くなっています。レーザーや高周波による血管内治療は患者さんへの体の負担も少なく2泊3日での入院が多い症例です。
また、冠動脈、大動脈バイパス移植術が次いで多くなっています。虚血性心疾患に対する投薬加療や、カテーテル治療では対応困難な重症症例に対して狭くなった冠動脈病変の先に新たにバイパスする血管をつなげることにより心筋への血流を増やす手術となっています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 19 1.11 7.05 0.00 47.58
K8881 子宮附属器腫瘍摘出術（両側）（開腹） 13 0.85 8.00 0.00 52.31
K867 子宮頸部（腟部）切除術 12 0.92 2.08 0.00 40.08
産婦人科は入院症例と比例して子宮筋腫や卵巣嚢腫に対する子宮全的術および子宮付属器腫瘍摘出術の症例が多くなっています。
次に多いのが子宮頸部円錐切除術となっています。こちらは通常、子宮頸部の前癌病変ないしは頸癌初期病変に対して行われる手術です。円錐切除術により切除した組織片を病理診断をすることにより治療だけではなく確定診断を行うことを目的として行われることもあることが本術式の特徴といえます。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ﾛ 水晶体再建術（眼内レンズを挿入する場合）（その他） 185 0.82 3.65 1.08 77.57
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術（網膜付着組織を含む） 82 0.94 6.87 1.22 65.43
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術（その他） 15 0.87 6.67 0.00 71.47
眼科では、白内障に対する手術である水晶体再建術が多くなっています。指標には表れていませんが入院せず外来で白内障手術をする患者さんも増えてきています。
次いで挙げられるのが、硝子体茎顕微鏡下離断術です。黄斑前膜や黄斑浮腫、網膜剥離、黄斑円孔などの網膜硝子体疾患に対する手術です。
患者さんによっては上記の手術を同時に行うこともあります。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ｲ 膀胱悪性腫瘍手術（経尿道的手術）（電解質溶液利用） 57 1.19 8.58 0.00 73.18
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 48 0.00 1.02 0.00 54.04
K7811 経尿道的尿路結石除去術（レーザー） 43 1.14 4.65 0.00 64.40
泌尿器科では入院症例と比例して膀胱癌に対するTUR-BT（経尿道的膀胱悪性腫瘍手術）、腎結石・尿管結石に対するESWL（体外衝撃波腎・尿管結石破砕術）・TUL（経尿道的尿路結石除去術）症例が多く、患者さんの状態に合わせた治療法を選択し、病気の根治とQOLを考慮した治療を行っています。TUR-BT・TULは手術の前日に、ESWLは手術当日に入院していただき治療を行っています。
その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 0 0.00
異なる 13 0.28
180010 敗血症 同一 4 0.09
異なる 19 0.40
180035 その他の真菌感染症 同一 2 0.04
異なる 6 0.13
180040 手術・処置等の合併症 同一 19 0.40
異なる 13 0.28
播種性血管内凝固症候群・敗血症・真菌症・手術・処置等の合併症の患者数と発生率を集計しました。
発症率＝それぞれの患者数÷全入院患者数×100
播種性血管内凝固症候群・・・・・感染症などによって起こる全身性の重症な病態です。
敗血症・・・・・感染症によって起こる全身性炎症反応の重篤な病態です。
真菌症・・・・・真菌による感染症です。
手術・処置等の合併症・・・・・・手術・処置等に一定割合で発生してしまう病態です。　術後出血や創部感染が挙げられます。
更新履歴
平成28年9月29日
病院指標公開しました。