各診療科紹介
心臓リハビリテーション外来
現在、当院の外来心臓リハビリテーションには、毎週250名前後の患者が参加しており、県内で最も多くの患者が外来リハビリテーションを行っている医療機関となっております。運動指導、食事指導、生活習慣改善など、生活全般にわたる指導により、健康寿命を延ばすことを目的としております。
県内および他府県の病院から、急性期治療に一定の目処が立ち、自宅退院を目指す入院患者が、心臓リハビリテーション目的で当院に転院してくるケースも増えております。入院リハビリである程度のレベルアップを達成した後に、外来リハビリテーションに移行していきます。
院にはエリア唯一の心臓血管外科があり、心臓血管手術を受ける患者に対しても、全症例で術前よりリハビリテーションを行っております。手術成績の向上に寄与するだけでなく、症例によっては心臓リハビリテーションによって手術適応を判断することもあります。冠動脈3枝病変という病態であっても、運動療法が成り立つ症例もあり、患者自身および家族と相談の上、外科手術ではなく、運動療法が選択されることもあります。
心臓リハビリテーションの効果
生活習慣病は、一度治療しても往々にして再発や増悪を繰り返し、入院をきっかけに体力、認知機能が低下し、自宅での生活が困難になっていくという経過を辿ることが多いです。薬を正しく内服することも大切ですが、しっかり運動し、食事に気を付けて、喫煙などの習慣を改善するなどのできることを一つ一つ改善していくことで、健康寿命を延ばせる可能性があります。外来心臓リハビリテーションでは、あらゆる健康知識を身に着けることを目指します。心筋梗塞、脳梗塞の予防はもとより、癌予防、認知症予防にも寄与する可能性があります。
命に関わる病気は、往々にして突然みつかることが多いですが、実は身体の中で起こっている変化は病気が見つかる何年も前から生じていることが大部分です。身体が危険な状態に陥ってからでも、できる治療を考え、救命を試みることも必要ですが、病気は治すだけでなく、ならないようにすることで、自分や家族の負担を最小限にすることができます。病気になって初めて健康のありがたさを感じるものですが、自分または家族の健康に不安を感じた方は、心臓リハビリテーション外来にて相談していただければと思います。